「自選一行レビュー補遺」「平原演劇祭_2006」第ニ部 草いきれの庭で

看板



2006/08/06 (Sun) “日本エンゲキ沈没”「第5回 平成演劇祭 2006」第ニ部 草いきれの庭で(...ヒート族/裸団光る電気/じぶんのはな/杜王町JOJO劇団/ベビー・ピー/桃と安酒Z...) @東武動物公園「進修館・中庭」。


(17:00/17:30-20:40_¥0-)



桃と安酒Z『やし酒のみの冒険』


(20:00-20:40_¥0-)


チュツオーラの小説は未読ですスンマセン。
舞踏のささらほうさら安田理英さんやモダンの牧桃子さん、音楽演奏のユニット。たぶん精霊を嫁に取ったら家は豊になったが凄い子供が生まれ、やがて妻とも別れるという昔話的なモチーフの様に見えた。各章ごとに異なる表現。アフリカとインドネシアを混ぜている。
蜘蛛の様な独特な体勢の安田さんや、わがままな子供のひなこちゃんが異様にすごかった。
色々機材事故に見舞われたが貫徹。
鈴木あかねさん、喉歌の歌手、金粉ダンサーズ、劇団12など
ほぼオールスター出演で人材的には壮大な規模になってきたなあ。


ベビー・ピー『みんなボブ 〜 ルックス最高!』


(19:30-20:00_¥0-)


野外短縮版。
完全版は80分あるらしく、さわりだけだったみたいだが、ワーッと走ってきて台詞をいったり、花火を打ち上げたりは劇場では無理だから別の見ごたえがあったかも。
JOJO劇の混沌の後だったため異次元の転換の小気味よさが映えた。センチメンタル・ロック・ファンタジー
京都のニットキャップシアター遊軍。
京都、大阪を経て池袋で大ラス。
せせこましい東京小劇場の笑いに飽いた方にお勧め...かな。


杜王町JOJO劇団、他『シーザー戦記/ヤバい「奴ら」がIN!』


(18:45-19:30_¥0-)


ジョジョの奇妙な冒険』を、現在連載進行中の『スチールボールラン』の主役、ジャイロの系図を逆上って再構成した台本だと思うが、仙台勢より端役の高野さんや桐生チームの方がメリハリ付いて面白かった。
競馬シーンを除いては混沌とした印象。花火、煙幕、衣装、しゃぽん玉、うまく使いこなせていない。転換の約束事の見せ方も残念。
仙台組は野外劇という体験や制作に弱いのかも。
そもそも「ジョジョ立ち」の基本がなんとなく曖昧。


じぶんのはな『こい。』


(18:00-18:45_¥0-)


アヤ、ユーナ。
葦、エジプト生まれの燕、ワイルドの《幸福の王子》、サン=テグジュペリかマルローの様な戦時中の航空郵便の物語を、女子中学生二人で。
文学作品の一節を巡る考察と感傷、追憶、連想が饒舌に語られた台詞。一人二役の対話、同時二人語り、長い回想、物に扮したり、アングラ的語り続出。
それをごく若い役者が苦闘しながら操る。このネジレ感。
誰に遠慮することなく全面展開するプログラムが必ずあるのが醍醐味かも。


裸団光る電気『ビーメン2』


(17:30-17:55_¥0-)


猫が幅を効かせ、腹が減ってばかりの鼠が、猫になりたいと。鼠のオババはどうせなら人間になれとハッパをかける。七つの珠(風船)を集めれば人間になれるとのことで...。
いろいろな教訓話をもじった笑劇。発見の会系メンバーによる。一番泥まみれ。
リアルマッスル泉、ガリマッチョ杉本、グラムエリコ。