ハイロアクション 福島原発40年 3.25 緊急声明
【緊急声明】
1971年3月、東京電力は、首都圏へ送る電気を作るため、福島の地で、原子力発電を開始しました。
以来40年間、私たちは、巨大な事故発生のリスク、放出され続ける放射能が環境と生物に与える影響、そして残される核のゴミなどについて、不安を抱えながら暮らしてきました。
これまでたくさんの福島県民・国民が、原発の危険性について警鐘を鳴らし、事故へのより根本的な対策と、情報の公開、県民への説明会の開催などを求め、プルサーマルをはじめ、設計寿命を超えた老朽原発の酷使など、危険を増大することに対して反対してきました。
3月11日、危惧されていた原発の大事故が、現実のものとなってしまいました。
原発震災発生から2週間、私たちは混乱と恐怖、故郷と生活を失いつつあることへの悲しみと憤りの中で、生き延びる道を探しています。この危機的状況において、以下のことを緊急に実現することを、国、自治体、および東京電力に対し要望し、皆様のご協力を呼びかけます。
- 1、子どもと妊婦の一刻も早い避難を実現してください。
- 2、一層の被曝を避けるため、避難区域を拡大してください。
- 3、安全圏への移動ができない住民の生活を支え、放射能の危険から身を守るための正しい情報と物資の提供を早急に実施してください。
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- 避難するかとどまるかを選択するために必要な情報が十分にない、高齢や健康上の理由で移動できない、移動できない家族を置いていけない、避難区域ではないため職場を離れられない、そして愛する故郷とこれまで築き上げた生活のすべてを置いていけない、等々の理由で、今も福島県内には、たくさんの県民が不安を抱えながら暮らしています。 今、私たちが必要としているのは、パニックを起こさないための不正確な情報に基づいた「偽の安心」ではありません。正確かつ詳細な情報が必要です。まず、外部被爆と内部被曝を明確に区別し、内部被曝の危険性についての正確な情報を提供してください。水・大気・食物の放射能汚染に関して現在流されている情報は、急性障害と晩発性障害、内部被曝と外部被曝を混同していることが多く、これでは、私たちが自分の状況を適切に判断し行動選択することができません。また福島原発の状況のリアルタイムの情報、特にドライベントなど大規模な放射性物質の拡散がある場合の予告、爆発のリスクに関する現実的な予測、そして詳細な気象情報とそれに基づく放射性物質の拡散のシミュレーションなどを、県民および国民に伝えてください。 また、遠方への避難ができない住民は今、正しい情報と生活に必要な物資が届かず、孤立しています。こうした人々の安全が守られるよう、生活に必要な物資と放射能被曝から最大限身を守るための正確な情報と防護用品を政府、県、東京電力の責任において、確実に届けてください。
今回の震災・津波・原発事故において、全国と世界の皆様からの温かいご支援に心から感謝いたします。
また現在も続く福島原発事故の鎮静化のために、生命の危険を冒しながら必死の活動をされている方々へ最大の感謝を申し上げます。
この原発震災によって払わされる多大な犠牲を無にしないために、全ての人々がさらに何らかの行動を起こしてくださることをお願いします。
全国のみなさん、私たちの故郷福島に起きている現実を、どうぞ注視し続けてください。
放射能に県境も国境もありません。
私たちと未来の世代の健康と生命を第一に考えた選択をするために、正しい情報の公開と、必要な国・自治体の対策を求める声をあげてください。
核が引き起こす現実、この悲劇を引き起こした私たち社会の現実に、全ての人々が直面することからしか、未来への希望は生まれません。
震災・津波の被害を受けた東北各地の人々、そして放射能被爆の危険を共有する全国民、全世界の人々とともに、この厳しい現実から逃げることなく、被害を最小限にとどめ、今後同様の過ちを犯すことのないよう、人類の勇気と叡智を結集することを呼びかけます。
2011年3月25日 ハイロアクション福島原発40年実行委員会
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