2014/07/25 (Fri.) - 07/28 (Mon.) "MODERNISTS FROM OUTER SPACE" 展。@江戸川橋「Gallery NIW」※文京区関口1-44-8。




出展作家
・ヴァンだ一成
・神藤修治
・池田祥
・北村達也
・生須芳英
・廃いゆー子
・谷林めぐみ
・高橋克圭


 この展覧会は、2013年5月から7月まで毎週土曜日に開講されていた「ART未来塾 / ひこさかL&H (Light and Heavy)アート塾」の受講生だった美術家たちの作品を中心に構成されています。
筆者も含むメンバーは、いまや稀覯本と化している、彦坂尚嘉著『反覆 〜 新興芸術の位相』(1974) を通読してみようという読書会を、毎週授業の前、開催地の近所の「佃公園」のテーブル付ベンチなどで行っていました。
それから現在までの我々の動静ですが、読書会は、中国古典『老子』や、ニューヨーク近代美術館MoMA)の編集した戦後の日本美術の基本的文書資料集(FROM POSTWAR TO POSTMODERN)の原文を集めて読んでみようという内容に発展。
彦坂さんの「あいちトリエンナーレ2013」出品作『復活の塔』『木の城郭』制作の手伝いに数名が参加しました。
続いて、2014年初頭の大雪の時期を挟んで開催された「前衛実験NETART連鎖個展」全11シリーズ (2013/12/09-2014/03/07) @藤沢・六会日大前の彦坂アトリエ、において各々個展を開催。
また、ノイズ音楽のコンピレーションアルバム『Meltdown!』を制作しリリースする、などなど。

 今回の展示は、藤沢での個展の都内での再展示 + それからの展開 + 発表しなかったタイプの作品を集めたものになるはずです。断っておくならば、初出品の方、参加が適わなかった方も居られます。
60年代末の学生運動の時期から美術家として活動している彦坂尚嘉さんの周辺では、美術セミナーや読書会などで、多彩な人物が集まっていましたが、そのまま離散していくことが多かったように見受けます。自主的に集まって活動を続けているグループは、我々以外にはないと思います。

 グループと呼ぶには多少違うのかも知れません。
言いたい事、したいことはそれぞれ個別にあるとしても、意外性があって、興味深くも、なかなか捉えにくい、40年以上に渡り持続的に展開されている『彦坂芸術分析理論』について議題することが多い美術家たちのサークル、という感じでしょうか。
またそれを細かく覚えこんで、自分のモノの様に語るのを良しとしない点。今の美術界の現状を受け入れていない点。こんな共通点があるといえるでしょう。
遠隔地に住んでおられ、毎週の参加がままならないメンバーさんともFacebookでつながって来ましたし、生須芳英クンの交友関係によっても、さらに異色のメンバーが増えています。
ばらけずにいるのだから " サントーム " は確かにありますね、ここには。

 そもそも、なんで「角田塾」なのでしょうか? 筆者が、創作活動もしないのに、こんなことに首を突っ込んでくる変わった人だからか。
彦坂的常道として、起源に還ってゆくのならば、最初に声をかけて、毎週プラットホームを用意してくれている、神藤修治さんと、無意味な権力意識の少ない人たちがたまたま集まった僥倖に感謝したいと思います。

                                          角田博英