「ロック・ソーラン・ドーターズ」「hybrid日本民謡/島唄拾遺」「安曇野めぐ留」安曇野めぐ留 LIVE
2006/01/12 (Thu) 安曇野めぐ留 LIVE/(レ・フレール LIVE) @外苑前「南青山MANDALA」。
(19:38-20:30_¥3,000-)
安曇野さん:白いパンタロンスーツ、黒のカットソウ、黒に水玉の長いリボンスカーフ(本来は、グラマラスな感じの人なのだが、今は頬が痩けるくらいに体をしぼっている)。
ミハルさん:黒パンツ、ウロコの様な大きなラメびっしりのタンクトップ、色はツヤツヤの黒。
ツバひろの帽子をすっぽり被って押さえた髪を、左側にまとめて垂らしている(彼女は体型のわりに不思議なくらい胸がある。衣装でうまくカムフラージュしてちょうどいい位なのだ)。
〈プログラム〉:
- 「ダンチョネ節」(神奈川)
- 「アイズバンダイサン」(福島:「会津磐梯山」)
- 「恋おけさ」(新潟:「佐渡おけさ」)
- 「ながもちうた」(「秋田長持唄」)
- 「コキリコ」(富山:「こきりこ節」)★
- 〈メンバー紹介〉ピアノ:佐山弘太。 エレクトリックベース:竹田弘樹。 コーラス:アリヤ ミハル。 ドラムス:堀越彰。
- 「海の風」★
- 「沖揚げ唄」(北海道:「沖揚げ音頭」)★
- 「SUN RAIN」
- 「ハイヤ」(長崎:「牛深ハイヤ節」)★
新アルバム『U-tini』(TPC-007 タキオプロモーション)¥2,200-...の曲順をほぼ踏襲した構成。
まず彼女はロック民謡の創始者、伊藤多喜雄氏の娘さん。結構長い紆余曲折を経て歌手活動に入る(1998年頃)。
曲目だけ読むと「民謡じゃないか」と云うことになりますが、詩もいろいろ変わっているし、表現が難しいけれども、すべて、ポップなジャズ、ブルースの様な演奏、唄い方にアレンジされている。
彼女は、以前からブラックミュージックと民謡を結び付けた音楽をやってきており、そのひとつの成果が、クラブジャズ寄りに編曲された今回の『コキリコ』になります。
(前回の「南青山マンダラ」ライヴで初お披露目(2005/03/09)。上野の水上音楽堂でもやった(2005/05/29)。)
最初の、良く知られた節回しが、ソウルのように、少しづつブルーノート気味に(?)なだらかにずれてゆく。
あなたに“音楽魂”があるのなら、戦慄・驚愕せずにはいられない短い体験になるはず。
もともとタキオバンド系の、腕に覚えのあるメンバーがバックを務めていたのだが、アリヤ ミハル(2005/12より「イヴォンヌ」改め)さんが新加入して、コーラスワークが入るようになり、新しい展開がうまれた。
『海の風』は初期オリジナル。
ちょっぴり残酷でロマンチックな歌詩を、歌い上げ、伴奏ですごく盛り上げる。
ややクサイくらいの名曲だと思う。いつもちょっと泣いてしまう。
...それにしても、家庭環境なのか、子供の頃からの修練の為なのか。
民謡系の出自の、たいていの歌手たちの歌声は、圧倒的(同じ事務所の柿崎竹美さんは特に)。
アマチュアが産んだ、良いものがあるのは当然認めるが、同じライブハウスに立った時は、全く異質のものとしてみることにしている。
差が大きすぎる。
『沖揚げ唄』は初期の試みの判りやすい例でしょうか。
港の酒場の女のやけっぱち気味の台詞がはいっていてカッコイイのです。
そして九州長崎の『牛深ハイヤ節』。
民俗学系の研究者によると、日本民謡の源泉のような位置にある唄がいくつかあり、
それが伝搬していって沢山の唄が産まれていったらしい。
「ハイヤ節」はその源泉になっている一つと云われている。
これを何時もきちんとプログラムにすえているということは、この人たちの意識の高さ・深さを端的に示していることになる、と私は思う。
「唄」というものには、昔「ミーム」というのが云われたことがあるけれども、
人から人、地域から別の地域、時代を越えて、いろいろ変化しながらも、一定の部分は不変で、自らの意思があるかの様に生き残ってゆく「生命性」「物質性」があるみたいなんですよ。
フォルムもなにも無いみたいなんですがね。
なお、「イケメン男」とお父さんについては、彼女はいじり方がしつこいですよお。
外の入り口前では、同僚の「柿崎竹美」さんが眼鏡の素顔で物販。
タイとつながりがあり、カラバオのCDも見かけました。
...ちなみに対バンは、レ・フレール(斉藤守也・斉藤圭士)。イケメン兄弟のピアノ連弾演奏らしかった。