「自選一行レビュー補遺」月丘雪乃“昭和レトロ三部作”解題の試み

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引退より一周年。鋭意準備中。


2005/04/30 月丘雪乃“昭和懐古シリーズ全集 最終公演”@渋谷道頓掘劇場
−感想− 05/06 初見「モダン」。渋谷の設備で音楽の細部がはっきり。「月が照る、出ぬ」等の歌詞で最初最期を決める。切れ目にピッタリの振付。イントロのピアニカ、SP盤の音、昭和歌謡、ピアノの低音とディキシーの組合せ。着物、シノワズリ、ボンデージ風と、衣服を脱いで三種の風俗を横断。通常3場を6場位に細分して厚みを出す。映画的処理。非常に凝ってカッコいい。 (角田)


2005/04/21-04/30_月丘雪乃_引退興行“昭和懐古シリーズ全集_最終公演”他_@渋谷道頓掘劇場
−感想− 04/22 登場は5人目。時間にして開演後約90分か。未見の「昭和モダン風」(一回目演目)を見る機会はあまり無い。初日は三回公演で21:05-21:35位に「えれじぃ」。ポラを撮ると在庫の限り特製プログラムが貰えマス。...実際お会いしてしまうと非常に寂しい。あらゆる不利な制約下で、独力で作られた舞台。存在したこと自体が、稀有な「情熱」の証しだと思う。私に云わせれば「行き暮れた純愛の三部作」。堂々の連作に違いない (角田)


2004/06/21-06/30 ひなぎく+佐伯誠之助「歌って踊って○ンポンパン」...月丘雪乃「レトロ三部作」二部・三部再演 @ショーアップ大宮劇場
−感想− 06/26 雨なのに、ハナキンなのに、テレビじゃポッターやってるのに、大宮のストリップ劇場には、白黒ショーが香盤にあるのにも関わらず、女性客がちらほら。すいません。ワタクシ、女性の嗅覚というものを舐めていました。伊藤舞さん…入魂の開脚。ひなぎくさんと“テクノの鬼才”とのお馬鹿パフォーマンス。HAZUKIさん…全身網タイツ大山猫。そして月丘雪乃嬢。白い横顔。過去の失意の女性たちへの挽歌。 (角田)


2004/05/11-05/20 月丘雪乃「昭和エログロナンセンス風」再々々演 @船橋ニュー大宝
−感想− 05/16 乱歩の『白日夢』を下敷きにした「エログロ...」再演を機に、あのTAMAYO(たまよ)さんと比較。たまよ虚構キャラは「体裁を繕い続けるSM女王様風」。ドタバタでアンチクライマックスに突入。主題は「エロと笑い」。月丘さんは、小さなセットを持ち込んだ一人芝居。古いレビューへの憧憬ある細かい動作。得意の表情は「目を閉じて唇ふるわす陶酔顔」。彼女の主題は、いつも「壊された純愛」をデフォルメして描くこと。 (角田)


2004/03/21-03/31 月丘雪乃「レトロ最終章・昭和えれじぃ風」・星野しずく“小犬”の演目… @DX歌舞伎町
−感想− 03/22 天分に恵まれた二人のストリッパーが同じ香盤に。私が見ていた回では、彼女たちは別々の場面で、客席の一番弱いところを突きました。東南アジア系の4人がシラーッと固まっている箇所。月丘さんは握手、星野さんは飴をあげる。客いじりとはこういうものです。...月丘さんは新作初演。一つの仕草のチョウタクに賭けている。男を想う赤い部屋。星野さんは今年始めからの再演。可愛さにくるめて、セクシャルな表現を鋭利にくりだす人。 (角田)


2004/01/11-01/20 月丘雪乃“レトロ三部作〜昭和エログロナンセンス風・其の二”@TSミュージック
−感想− 01/15 昨年カムバックした“過剰演出派?”ストリッパーの極北。世にも稀なる一人舞台。今宵はレトロな看護婦さん。...どう受け止めたら良いのか、女性ならではの(止まらない)創造性の発露(暴走)? ルーチンワークに飽き飽きした、ベテランの遊び?(デカダン!)さすがに、細部の平仄合わせが緻密で、色彩感覚は非凡でした。でも多分一般客のヨクボウのちょっと上空を滑空? 浮いているのをほくそ笑む感じ? (角田)