「自選一行レビュー補遺」『スイム』


2006/06/21 (Wed) - 06/25 (Sun)  『スイム』(劇団アーノルドシュワルツェネッガー) @下北沢「駅前劇場」。


(14:00-15:40_¥3,000-)


噂では、同時代の演劇作品のパロディやマニアックなビデオからの引用を含んでいるみたいだが、わたしは詳しく知らない。解釈しようとすれば、「おばあちゃん」「川崎の医者」「金属バット」あたりが鍵になりそうだが、どうやっても座りが悪いだろう。学生運動末期のセクト内ゲバと、例えば、内臓売っ払うための殺し?などを、左翼の権力志向と資本主義の拝金主義とかいって並べてみたりして。「お笑い」が未知のニンゲンセイを切開く?!?!


...連続性の無い、意味を成さないような、ひとつひとつは興味深い場面が、ブツ切れで、あるいは繰り返して出てくる。「不条理」ではなく、ザッピングシアターというか、ホワイトノイズというか、そういう意図なんだろう。こういうプロダクトを時々見かけるが、岩松了系か。当たり前のことだが、共鳴する感覚、理解する感覚の方がいいに決まっている。もしかして、共感が裏切られてゆくこと、失われることへの失望を表明しているのかも。作家としてはキャラクター本位制か。