「自選一行レビュー補遺」「平原演劇祭_2007」(氷る前に)秋田の土を踏む。

康楽館



2006/12/16 (Sat) 「だまこ汁」の呪い...秋田県鹿角郡小坂町、於『康楽館』。#4 北の演劇祭 一日目。


日本最古の芝居小屋『康楽館』。...四国は香川県琴平町の『金丸座』が日本最古じゃないのか、という疑問もわきますが、まあ改名とか移築が無いあたりのことを指しているのか。
夜明けと共に仙台を出発。北上で込み出す。携帯電話の初老の男「ようがすようがす」。東北人は時に気味が悪い位調子が良い。
盛岡の川原、畑でようやく雪見る。天気は小雨。盛岡西口バス亭、細い屋根。半分吹き曝し。ロッカー、トイレ不明(後ろのビルにトイレ、ロッカーは駅ビル商店街に行かないと無い)。雨宿りのビル内。今だに眉剃っている二十代背広の男。警備員が通路塞ぐ。東北で中東絡みのテロがあるだべが。
小坂インターで「高速バスあすなろ号」はハイウェイを降りる。小坂高校前のロータリーで下車。アイスバーンの日陰道を町まで歩く。



2006/12/16 (Sat) - 12/17 (Sun) 「#4 北の演劇祭」(実行委員会:工藤保、高木豊平ほか) @秋田県鹿角郡小坂町「康楽館」。


(10:45-14:30_¥1,000-)


一日目。女子中学生のブラス、ドラムス・アンサンブル/開会の辞/県立大館鳳鳴高校演劇部『夏の終わりに』/康楽館黒子座『みんなちがってみんないいpart.4』/渡辺源四郎商店『素振り』。
二日目。セレモニー(未詳)/盛岡市立高校演劇部『ゲキ部物語』/黒子座『(前掲)』/大館市民劇場『御テレビ様がやってきた』。
...一日目のみ観劇。期せずして、似通ったシチュエーション、題材が現れたと思う。回顧。悔やんでも遅い、過ぎた時間という様な。

『夏の終わりに』(秋田県大館鳳鳴-ほうめい-高校 演劇部) @小坂町「康楽館」。


(11:00-12:10)


演劇部顧問:櫻井みう氏によるオリジナル。キャラクターの描き分けに力入る...と思ったら意外な展開。なんと多重人格、虐待、格差社会等の題材を取り入れた、ある種の同窓会もの。


...お昼のエピソードあり。後ほど。

『みんなちがってみんないい Part.4』(康楽館黒子座) @小坂町「康楽館」。


(12:55-13:15)


町民、関係者有志による。題は金子みすゞの引用。作中に詩も出てくる。東北に来てこの詩人が劇中引用されるのを聞くのは二度目。いわゆる「葬式もの」。高校演劇の「タイムカプセルもの」とたまたまだが、ネタかぶり。共感を生みやすいのだろうか。


『素振り』(渡辺源四郎商店) @小坂町「康楽館」※#4 北の演劇祭招聘。


(13:20-14:35)


1910年開業。外観は白い木造洋館。中は畳敷きの芝居小屋という場での現代劇公演。広い舞台を黒布で覆って。反復運動する人達の断片的エピソードを積み重ねて描く。あの、山の手事情社の「ぴん」風に、演じる技術が試される劇。均質な技法の上に築けるものがあるんだ的なクールな舞台。



バスで盛岡に戻り、角館へ移動。角館駅前旅館、山谷初男さんの生家「やまや」さんに一泊。どうやら客は私一人だったらしい。
遅く用意してもらっていた夕飯。...きりたんぽ(あぶらげ、しらたき、鶏、山菜、きのこ、葱、ごぼう)/モツ煮/ほたて/イナニワうどん/刺身(白身、貝柱、まぐろ)/かずのことブロッコリー/しらうお卵とじ/なめこと菊/漬物(がっこ、人参、蕪)/鮎塩焼き/ステーキ三切れ/苺/とんぶり味噌あえ。すごいです。机からはみ出しそう。風呂も独占。



2006/12/17 (Sun) このしろ探検隊 角館編


埼玉県宮代町在住の劇作家、高野竜さんの「歴史劇」の一角が、民俗学的長編エッセイ『このしろ伝説』に展開中。
東北地方(といっても宮城はそんなに関わりが深いかなあとも思うが)仮住まいのワタクシが、代わりに下調べしてきました。「第一次探検隊」としてください。



以下、未定稿です。


...発見できず。

まず「大平山」は地元の年配の人も名前を知らない様子です。「テレビ塔の建っている山」と言えば通りがいいみたい。遠目には確かに立っています。
武家屋敷街の北の外れから橋を渡ります。雪無し。ビショビショの雨。

山の目前に団地が二棟。その奥が馬を調教するための空き地。次の国体の馬術競技のためか。
道を入るとすぐ、昔の鉱山の跡地のような黄色いガレキの体積した場所。...「西ノ沢鉱山」か。裸の山の中腹に穴があいていて、排水のホースが出ている。
道をさらに上ると、一帯、低いが傾斜のキツイ山が幾つか重なっている。倒木がそのままになっている、あまり人の入らない暗い杉林。不法投棄のゴミ若干。
「大平山麓」という表現は実感がないです。うねうね「谷間」の様な場所を歩いている感覚。高く低く道がつづく。小鳥の声だけ。気持ちのいい場所ではないです。大平山の山頂は、手前の山や樹に邪魔され全く見えない。

地図の道は、傾斜を切り開いて作ったものらしく、緑っぽい砂利が敷いてあるという状態。楽に歩けます。排水路や崖崩れ防止の工事がされている。新しい道か。
例のS字カーブの周辺には携帯電話の電波中継塔が二つ。
そこがきつい登りで、後はほぼ下り。奥にすすむと、小さい果樹園(というか小屋のそばにトラック。奥に黒いネットのごちゃごちゃという場所)。水流があり、田んぼ。人家。
人影なく犬が吠えている。ここまで来てしまうと、山の西に入り込んでしまうので、脇道を探りながら引き返すことに。

通行禁止の小勝田地区の看板。奥は枝分かれした落ち葉と倒木の道。ふりかえると特徴の無い場所で、迷いそうなので戻る。倒れた杉の木の葉が黒く変色している塊が紛らわしい。
中継基地の下あたりにも枝道あり。途中で崖崩れで欠けている。濡れ落ち葉の体積で、滑るので踏み込まず。

9:00 角館駅前出発。
9:50 山に入る。
11:00 折り返し。
12:00 街に戻る。

...地図の道をたどっただけです。天候がよければ脇道を調査できると思いますが、道路から見える範囲には社の類はありません。

ネガティブな予想では、恐らく今の道を作るときに壊されたのでは、というもの。
次に行くとしたら、テレビ塔を直接狙う。大平山本体のふもとを見てみる。「西ノ沢鉱山」跡らしき場所はすぐわかる。北側は山の地肌が見えているので近づきませんでしたが、ここに入ってみる。奥の人家の人に聞いてみる。などなどの手があります。

駅前の喫茶店とか観光案内施設で話しを聞く。小学生が行く「トンケ山」...子供が行くような山ではない。郷土史のトミチタイチという方が詳しいかも。図書館は結構遠いらしい。作家の西木正明が住んでいる??
角館町。桜の季節以外はシーズンオフ。人影まばら。幹線道路は、観光客の車は結構通っています。
枯草のようないぶい匂いがたちこめた街でした。