「自選一行レビュー補遺」クリスマスイブイブの東京で観劇。

ネオンチューブ




2006/12/22 (Fri) - 12/24 (Sun) 『生まれ晒し』(もしもしガシャ〜ン) @新宿「タイニィアリス」。


(15:00-16:48_¥2,500-)...12/23 マチネ。満員。客席の小さい女の子がおびえるので若干注意そがれたか。


からしか出入り出来ない部屋にいるデブ専イメクラ?嬢と、その部屋の隅に居付いて生活するようになった常連客の男、という設定か。伏線、妄想、ハプニング、場外乱闘満載。視力の弱い女。だんだん痩せて行く。電話と音の使い方。...それでいながらある意味告白的、私小説的演劇。「がきデカ」「マカロニ...」の様なギャグ漫画の舞台版的感覚。石田徹也的イメージ若干。かなり難しい台詞を全身でこなす役者も他では見ないタイプ。宮城県人の調子だけ良い部分の発露かな、とも感じるが、半端なコメディよりノリが激しい。




2006/12/23 (Sat) - 12/24 (Sun) 『怪談「東京戦争」』(極東演劇研究所:大谷蛮天門 一人芝居) @中野「テルプシコール」。



(19:00-20:00_¥2,000-)...12/23。俳優氏、焼酎のカップ三本位一気あおり。「発見の会」「野戦の月」などのメンバー多数来場。あの女優さんは私生活ではおすましなのね。11月の政治的パフォーマンス見逃していた。


1960年頃。北への帰国者達からの暗号の手紙。関東大震災後の荒川土手の虐殺。血のメーデーよど号犯達の謎めいた死...。在日コリアン北朝鮮を巡る現代史を、酔っぱらったおっさんの一人語りが繋いでゆく。テント劇のベテラン俳優、復活ユニットでの独演。もっと法螺が混じっても良かった。正攻法過ぎる様な。メイン曲鬼束ちひろ青年団『ソウル市民三部作』の補完的な作業である等して欲しいところだ。


2003年。猪飼野の老詩人、金時鐘(キム・シジョン)氏がジャズファンクバンドの伴奏でリーディングをやったことあり。CD化もされている。トークで60年代の知られざるエピソードを多数語り驚いた経験も記憶に新しい。
金時鐘」の名前は戦後の日本の現代詩史に大書されてしかるべきかと。そうなっていない現状は間違っている。博物学・地学に基礎を置いて政治を巨大なメタファーで描く日本語で書かれた詩の巨匠なのだが。


来春『「ねじ式」式』準備。