「仙台細見」映画『紀子の食卓』

tsunoda2006-12-21



2006/12/16 (Sat) - 12/22 (Fri)  園子温紀子の食卓』 @仙台 クリスロード「セントラル劇場」。

(19:00-21:40_¥1,800-+¥600-)


自殺サークル』という旧作の発展型なのだろう。コインロッカーベイビー。レンタル家族。カルト集団。自殺サイト等の題材を巧みに紡いだ物語。かなりの妄想の産物。ラストが安部公房の幾つかの小説の様だ。
四人の登場人物たちのそれぞれのモノローグ。と、重ね合わせられるナラティブの仕組みが興味深い。物語の物語の虚構の虚構なのだ。玉突き状、あるいは円環状の構図は、あんまりうまく描けてはいない(ロマン派には無理なのだが)。
第三章だけ、細部の辻褄がかなり怪しくなる(ラストのちょっと前もだ)。お母さんの顛末もちょっとヒドイ。
後は普通の映画の着地点を越えて、前に進むからいいんじゃないでしょうか。


吹石一恵さんは新宿の劇場ロビーでお見かけしたことあり。あのまんまの背の高い女の子。好印象。
そして仙台では、こういう「単館もの」は一週間だけやるんだね。水曜日の夜はおっさん5人だけの観客でした。