「日本アンダーグラウンド演劇再定義の試み」「戯曲読みマラソン後続集団」「平原演劇祭」高野竜 連作戯曲集を読む。

高野竜『劇説 イオの月』(2003年初演)


10場面。朝の上野駅。山手線。唐十郎風のうねうねした文体が切れ目無しにびっしり続くスタイル。独り語りが時々ありえない飛躍をする。
登場人物は、一人。実際には数人で演じられた模様。
短距離走の青年。おでん屋台の主人と客。潜水艦の船員。ヘルメス。中央アジア国境警備隊員。ギリシャ神話の女。柳行李。オカマ。
山手線の呪縛。円環運動の袋小路。亡命と逃避行、遠い場所での動乱の予感。パッショネイトな男女の関係。
処女作の再構成版とのこと。「劇説」は、神谷量平『劇説 ヒロシマモヒカン族』(1978)...「演劇会議」掲載。から来ている。