桐野週間。/大岡信「折々のうた」連載ラスト。

「古書」桐野夏生『グロテスク』(2003) 一気に読了。...黒い笑い。頭のオカシイ人の手記という設定は乱歩譲りか。裁判所の場面あたりから、だんだんノリノリになってくる。細かいところにケチは幾らでもつけられそうだが、傑作です。一貫校の内部事情。和恵の手記(細部ノンフィクション参照)。裁判所周辺でのミツルとのやり取りがたまらん。オウム事件まで笑いのめしている。結末もいいんじゃない。「怪物」という表現を繰り返した時点で、この小説のレトリック(世界観?)に取り込まれている。...既存の小説の暗黙の型を少しだけ壊す手法、複数の視点、ある種本能の発達したヒロインが特徴的。/桐野夏生『OUT』(1997)...読了。テレビドラマや映画にした経過があるけれど、トチ狂っていたとしか思えん。原作は改変して当然という程度なんだろう。/...ちなみに『希望格差社会』(2004/11)。/『グロテスク』(03) 『残虐記』(2004) 『アイムソーリー・ママ』(2004)で三部作とか。『OUT』『柔らかな頬』だけでは惹かれなかった。『グロテスク』まで行かないと。実は『ファイアーボール...』「ミロ」ものの最初の作品は挫折してます。/『ラブ&ポップ』『夏の炎』。/ジョイス《ダブリナーズ》...ダブリンの実際の地理。住民。その「共同体」やある「社会階層」にとって意味ある日付。宗教的な習俗が連発。生活感覚では通じるものはあるのだが、「半分位」は分からないといっていいだろう。
「新刊」インドネシアの伝奇小説?《美は傷》(メモだけ)。/嶋中文庫。/新訳《アレキサンドリア四重奏》第一巻〈ジュスティーヌ〉¥2,500-。(メモだけ)/文芸春秋「はじめての文学」全十二巻。よしもとばなな、ダブル村上、宮本輝宮部みゆき浅田次郎川上弘美小川洋子重松清桐野夏生山田詠美林真理子。...宮本、浅田、林はいらないでしょ?/『STEEL BALL RUN Vol.11』。/折口信夫のかぶき論。/フラナリー・オコナー桐野夏生ジョイス・キャロル・オーツという訳にはいかないか。/春秋社の「トーク・オンデマンド」シリーズ。/ちくま学術文庫。民俗学関係けっこうある。
「朝日書評」(メモのみ)『評伝 星新一 〜 1001話をつくった人』『ベンヤミンの迷宮都市』『謎のマンガ家・酒井七馬伝』《排除型社会》『氷上の光と影』《黒人ダービー騎手の栄光》『広告会社は変われるか』『工場萌え』。/広告。《来るべきデリダ》。