「世界のドキュメンタリー 上演と講義 2006」第8回 ラテンアメリカとドキュメンタリー 〜 ホルヘ・サンヒネス:ウカマウ集団《鳥の歌》(1995)/トラヴィス・ウィルカーソン《加速する変動 〜 サンチャゴ・アルヴァレス風に》(1999)ほか。 @「映画美学校」。
(13:00-14:47/15:30-17:00)
ウカマウ集団 《革命》 (1962)
- 寒村。川で洗濯。
- 岩穴の家。近くに近代都市。
- ゴミあさり。道端で食べる。
- クーリー。塵芥運び。(自分の背丈以上の塵芥の袋を担ぐ老人)
- 先住民族の、インディオの物乞い。...路面電車の客に向かって。
- 指物師。子供用の小さい棺。
- 子供の葬儀。
- 演説と大群衆。パンフレット。
- 兵隊。ライフル。
- 死体。
- 獄。檻の中の男。
- 銃殺。
- 死体。
- 街角。悲しむ女たち。
- 葬列。
- 石を取る。市街戦。ゲリラ。...平服の男が銃を持って屋根の上を走る。待ち伏せ。
- 軍の隊列。ライフル。
- 子供の顔。銃声。裸足。(終)
音楽が入っているが、ほぼサイレント。先住民の乞食の映像が極めてショッキング。
普通の服の男たちが、軍隊を待ち伏せする場面は、まさに《麦の穂をゆらす風》そっくりだ。
棺を担いだ男たちの映像は、ウカマウ集団の映画に頻出するだろう。
子供の顔の所など、パターンはパターンだが、この映画は古典といっていい出来映えではないか。
また、ウカマウ集団には、そもそも単なるドキュメンタリーだけを撮るという発想は始めからないのだろう。
ウカマウ集団 《鳥の歌》 (1995) ※記録映画ではなく、本当の劇映画。
- 歴史上の人物の様な扮装。銃を持った大天使たちが丘の上を行進する。ビスクドールの様な仮面。盾と槍。羽飾り。
- 夕日。映画の撮影だった。インタービュウ隊が監督に聞く。監督はシーンの意味を語る。
- 機材を運ぶ。ジープ部隊。都市遠望。
- 物乞いの子供たちが車に走り寄ってくる。やがて撮影現場に到着。高山の景色。
- タイトル入る。
- 中世の甲冑の騎士が、旗印を掲げて、山を歩いてくる。
- 撮影隊、村落に入る。無人。村長に、学校に案内される。ここで寝るという。
- 議論。農婦が来る。「何か心配事があるのか」。結婚して、村に住み着いたフランス人女性らしい。好奇の目で見送る。...チャップリンの娘さん、ジェラルディン特別出演。
- インディオのキャスト探し。男に話しかける。帽子を編んでいるからダメ。話にまったく乗ってこない。虹。別のある男は口もきかない。完全無視。
- 仕方なく、スペイン人の場面だけ撮影している。村長を呼びつける。
- スペイン人の兵隊が、インディオの奴隷を数珠繋ぎにして連れてくる場面。インディオが弓を撃ってくる。死体が折り重なる。
- 村人がどこかに立ち去ってゆく。誰もいなくなる村。
- 村の学校の女教師に、スタッフの中の若い男が話しかける。泥棒もお店も無い村だという。
- 夜の食事の後、様子がおかしいという話しになる。
- フランス人の女性が話しに来る。帰ってゆくのを見て、陰口になる。変人だ。
- 若者(製作者の弟)。女の先生が畑仕事をしているのをカメラで撮る。村の若者が割って入る。「ネズミ顔には気をつけろ」。先生になんと言ったか聞く。「あなたがネズミに似ているって」。