役者工房 07-08『エレクトラ』

2007/06/29 (Fri) - 07/01 (Sun) 『エレクトラ』(役者工房 07-08)@「せんだい演劇工房10-BOX」。


(19:30-21:10_¥2,800-)...06/29 初日。

仙台選すぐりの役者たちによる自主公演。福島の大西ペリカン作品。ギリシャ悲劇に重ね合わせ、ある街で、風評から傷害事件が発生する過程を劇化。リーディングで、webで、設定で、何度も描かれる復讐の顛末が、最期、意外な形にひっくり返される。
手法は、主賓の登場しない夢幻能、或いは遊園地再生事業団の「不在」の構図。Ort-d.dや千賀ゆう子企画、燐光群の芝居に登場する、一人の人物を複数の役者に投影する、等、現代演劇の先端的なものが使われ、日常的な対話と、西欧大古典のテンションが正面から交錯。
薬局で販売されるタバコ、の様に、禍々しい思念が伝播(電波?)して突発的に人々をつき(憑き?!)動かし、殺人が成就する。
桃園会の代表作に通じる世界かも知れない。
いいものを沢山見聞し、広く取り入れた理想的なパスティシュの作風だと思うが、中央(笑)から離れた場所では、貴重な上演であることは間違い無い。
実際、チェルフィッチュなり遊園地再生事業団なりの上演に対するアンサー自体無かったし、成功するのも稀かと思うのだが。
また、特に上島奈津子さん(恵まれ浮かれた主婦とエレクトラを行ったり来たり)の演技には久しぶりに震撼。