『標準的宇宙論』。

    • 約137億年前【150億年が標準的】、宇宙創生。ビッグバン(時間と空間が爆発の中で生成された)。
        • インフレーション期。*インフレーション理論。宇宙創生後、10のマイナス35乗秒の間に、10のマイナス37秒間事に倍々々の膨張が起きた。
      • プラズマのスープ(陽子、中性子自由電子が光の霧の中を浮遊)。
      • 数分後。陽子(水素原子核)の結合反応。ヘリウムなど軽い物質の原子核が生成される。
      • 宇宙は膨張しながら冷えていった。
        • 構成要素は、73%の暗黒エネルギー。23%の暗黒物質。4%の通常物質とされる。*反物質というものもある。
      • 約30万年後、摂氏3,000度。原子核と電子の再結合。霧が晴れて光が自由に広がりはじめる(光の残照は化石化し電波となっている)。ビッグバンのこだま。
    • 初期にあった密度の微少な差から、銀河や恒星が誕生していった。
  • 《太陽系の観測と把握》
    • 紀元前276年。アレクサンドリア図書館長、エラトステネス(キュレネ、今のリビアの人)、地球の周長を算出。地球の大きさを把握。
    • 紀元前3世紀、アリスタルコス、太陽と地球の距離を算出。今の太陽系モデルに近い「太陽中心説」を唱える。
    • ミコワイ・コペルニクス《コメンタリオス》手稿版(1514年頃回覧された)。レティクスの協力で《天球の回転について》出版(1543)。黙殺される。
    • ティコ・ブラーエ《天界》(1588)。
    • ヨハネス・ケプラー《宇宙の神秘》/《新天文学》(1609)。*ティコ・ブラーエの遺した詳細な観測記録を駆使して太陽系の正しい姿を描く。楕円軌道。
    • ガリレオ、イタリア俗語で《天文対話》(1632)執筆刊行。*相対性原理を提唱。
      • 1633年。ガリレオ、異端審問。禁書・幽閉処分。視力を失う。
  • 《光の研究》
      • 1638年。ガリレオ、光の速度の測定実験を考案。
    • 1675年。オーレ・レーマー、木星の衛星イオの観測記録から、光の速度を概算。
    • 1657年。オットー・フォン・ゲーリケの真空実験ショー。光の伝播媒質の謎。*作業仮説「光エーテル」につながる。
    • 1887年。アルバート・マイケルソン、エドワード・モーリー。「光エーテル」の存在が実験で否定さたことを公表。*実は、真空にもなんらかの量子が充満しているらしい。
    • 1877年。ハーバード・カレッジ天文台、台長エドワード・ピッカリング。天体写真プロジェクト。女性コンピューター・チーム組織。
      • 《分光器と分光学》。
    • ヨーゼフ・フォン・フラウンフォーファーの基礎研究。
    • 1859年。ロベルト・ブンゼン、グスタフ・キルヒホフの星の分光学研究開始。太陽光のスペクトル分析。
    • 1868年。太陽光分析のデータから、そのころ見つかっていなかったヘリウムの存在を想定。
    • ウィリアムス・ハギンズ、マーガレット・ハギンズ夫妻、シリウスのドップラー偏移測定。星の速度を測定する方法を考案。
    • 1896年。16歳の思考実験。光の速度と観測者のパラドクスについて。ジェイムズ・クラーク・マックスウェル「光は止まらない」。VS ニュートン「光は静止する」。
    • 1905年。三つの論文発表。〈ブラウン運動〉。〈光電効果のしくみの論証〉。〈特殊相対性理論〉。
      • *時間は伸び、空間は収縮する。光の速さは時間・空間の概念である。同時性という概念の否定。時間と空間は観測者と観測対象の間の相対運動に強く依存している。光速より早くすすめない。最初の題は「不変性理論」だった。
      • ミンコフスキー、アインシュタイン。時間は四つめの次元である。
    • 1919年。アーサー・エディントンの観測隊、西アフリカ・プリンシペ島で日蝕撮影。太陽の重力による光のズレを検出。*相対性理論の検証に成功。
  • 《ビッグバン理論小史(1922-1992)》。
      • 1620年代。アイルランド大司教、ジェイムズ・アッシャー、聖書古写本を研究。天地創造は紀元前4004年10月22日午後6:00であり、宇宙の年齢は約6,000歳とした。
    • 1927年。聖職者にして物理学者、ジョルジュ・ルメートル、〈ビッグバン・モデル〉提唱。論文〈最初の原子に関する仮説〉。
    • 1911年。ヘンリエッタ・リーヴィット〈小マゼラン星雲内の25個の変光星の周期〉発表。*セファイド間の相対距離が求められるようになった。
      • 《望遠鏡・写真・分光器。三位一体のテクノロジー完成》。
    • ローウェル天文台のヴェスト・スライファー、星雲【銀河】の速度を測る。*銀河は後退している(遠ざかっている)。
      • 1929年。論文「銀河系外星雲の距離と視座速度との関係」。
    • 1905年。ラザフォード、ガイガー、マースデンの実験。「原子の太陽系モデル」提唱。陽子-電子-中性子を想定。
    • ハンス・ベーテ、太陽エネルギー発生のメカニズムを解説。
    • 1948年。ジョージ・ガモフ、ラルフ・アルファー〈化学元素の起源〉論文。“世界は5分で始まった”。*ビッグバンから現在までの各段階を算出し描き出した。元素存在比の謎に解答をだす。重・希少元素の化合については沈黙。
      • *初期の「コンピュータ」を計算に使用。
      • 1949年。フレッド・ホイル、ボンディ、ゴールド〈定常宇宙モデル〉提唱。*ビッグバンモデルへのアンチテーゼ。
    • 1952年。ウォルター・バーデ、アンドロメダ星雲観測。ハッブルらのものさしの間違いを指摘。距離のデータが全部覆った。
    • 1953年。フレッド・ホイル、ファウラー〈星の元素合成〉。*重元素が化合される環境と炭素合成のメカニズムを予測・論証。
    • 1964年。CMB放射発見。*ビッグバンのこだま。
    • 1992年。COBE衛星、CMB放射のゆらぎ解析に成功。*ビッグバンモデルの定説化なる。