「自選一行レビュー補遺」「グロテスク・クラシカリズム」遊劇体『あの眩い光に砕けろ』

2006/07/13 (Thu) - 07/17 (Mon) 遊劇体『あの眩い光に砕けろ』 @なんば「精華小劇場」。


(19:00-20:20_¥2,500-)


赤白のダンダラ縞の祭り提灯が天井に並ぶ。五角形の窪んだ舞台。奥にミニチュアの赤い鳥居。周囲は鉄パイプで見立てた竹林。真ん中、小さな櫓。民謡流れている。


途中から、ギリシャ悲劇《メデイア》を意識したらしい。
山間の地方都市。小規模土建業の男に嫁いで、大阪から来た女。
地元の有力土建業の男から、娘が女の亭主とくっつきたいので、金をやるから別れろという。
女は、男の娘が妊娠していると聞いて高笑い。自分も五ヶ月だという。
逃げる女に追っ手をかけるが、捕まらない。やがて...。


意外にこの劇場は発想を縛るのか、前回「くじら企画」の保険金殺人の“闇”とかぶるものを感じる。
脇役の金髪ドハデの少女。その母親のエピソードと演出が良いが、様式を創出しようとする努力が硬い印象を与える。
村社会の様子が、一面しか伝わってこないのかな、と。