「日本アンダーグラウンド演劇再定義の試み」#6「平原演劇祭 2007」第二部“のれんをくぐって「演芸」へ”(第一稿)

あたらしいむら


2007/09/01 (Sat) #6「平原演劇祭 2007」第二部“のれんをくぐって「演芸」へ”


宮代の「進修館」では、「COS-MIX」という、入館費をとってコスプレの写真撮影をするという企画をやっているようで(浦和、所沢の公共施設でも)、ガラガラをひっぱった女の子が大挙駅にむかって歩いてゆくのにぶつかる。新年度になって、無料で使用できるという取り決めが、担当者が変わって反故になってしまったと聞いている。
ホームグラウンドであった「進修館」がそのような有様で、今年の「平原演劇祭」は「新しい村」の親水池のほとりの平地で開催。
(18:12-21:04) 今年は『駆込み訴え』『風雲! 犬つくば学園』『JOJO劇 川尻しのぶ伝 〜 吉良吉影の静かな愛』『残像航路 〜 ネズミ花火と濡れネズミ』の四編でした。一部とあわせて全部で八編。


『駆込み訴え』(桑田聡美) @東武動物公園「新しい村 笠原沼畔 野外舞台」。


(18:12-18:36)


飯能の高校文化祭で出会った才能とのこと。その時の演目の再演(太宰治)。驚異の長ゼリ一人芝居。内容が野外劇にピッタリで樹木、虫の音の環境も味方に。
従来の高校演劇がどういうものか、秋田の鹿角でしか見たことが無いので比較できないが、題材の選定とか一人の上演は珍しいのだろう。集団でやってられないぜという人にはみえなかったが。


『風雲!犬つくば学園』(地球風洞説P) @東武動物公園「新しい村 笠原沼畔 野外舞台」。


(18:37-19:03)


その場で籤引きのお題が出る完全即興劇の試み。演奏者含む5人が挑戦。一つ置きに成功(!)。さすがに学生は頭が柔らかいというか、ある程度頭の中で組み立てをしていたのか。


JOJO劇『川尻しのぶ伝 〜 吉良吉影の静かな愛』(劇団12:トゥエルブ) @東武動物公園「新しい村 笠原沼畔 野外舞台」。


(19:03-20:16)


文学や演劇史無き舞台ゲージツというか、少女漫画やゲームで培われた人達。恒例の笑劇と服の色、身に付ける小道具を印にして役者が入れ替る。
しかも、内容が、現実的レベル、内面、超現実的“スタンド”レベル、動物にまでまたがる異常に多元多層的なもの。
見掛けはウニ的だが規範を飛び出している。いわば永遠に完成しないスタイル。


『残像航路 〜 ネズミ花火と濡れネズミ』(イエーツの会) @東武動物公園「新しい村 笠原沼畔 野外舞台」。


(20:20-21:04)


謎めいた女性パフォーマーと伊勢崎ノイズ楽団の面々の演奏。《かもめ》に出て来る象徴派の劇の断片。唐十郎『少女仮面』断片を思い切りアングラ演劇舞台言語でドーンと打ち上げる。沼の水面を炎が渡ってくる。
火振りの踊り子の登場は完全に伏せられていた。縁が有って集まった面子の最期に登場したマレビトの存在が宮代ならぬ世界をざわつかせる。