福島市 夜と早朝


夜の福島市。東口方面の繁華街。


「JR福島駅」新幹線のプラットフォームから出入口まで、薄暗く寒い通路を渡る。
その通路は、駅のメイン口から、かなり北よりのショッピングモール(「エスパル」)の二階か三階に直結している。
荷物を提げ、買物客を掻き分けて、ガラスの自動ドアの出口まで、エスカレーターを使ってたどり着く。


そこから、駅東口正面に向かって、吹きさらしの歩道を南下。
最初のランドマークは、横断歩道を渡った「中合百貨店」の電光看板と建物。
そのすぐ横を通る「駅前通り」(栄町)を真っ直進めば、宿へは行けたのだが、「国道13号線」を信号で渡ったところで(ランドマークは居酒屋「はなの舞」)、右折して、市街の南側の「平和通り」(実際は「13号線」が90度曲がって合流している。つまり、国道が街中を突っ切っているのだ)沿いの閑散とした暗い歩道を歩くことにする。
本来の目的地に行く為の十字路を見ておきたかったので、「裏」に回ったのだ。


結局だいぶ歩き、ホテルの建物をぐるっと回り込むような形で、「駅前通り」と続いた「レンガ通り」にはいり、「サンルートプラザ福島」にチェックインした。

ちなみに、暗い通りで見たもの。「わかさや」というショーウィンドウのある古い呉服店があり、店仕舞いの最中。並びに一軒大きな書店もあった(「西澤書店」)。
やたらと交通量が多く、信号待ちが多い街だ。


夕食を摂りに街へ。「レンガ通り」を駅方向に。雪が駐車場や歩道脇に残っている。「レンガ通り」と「パセオ通り」の交差する一角に「ローソン」があり、これも目印になりそう。
街の側から駅方向を眺めると、そびえる「東急イン」がランドマークになっている。その裏側へまわる。路地は凍りついた雪がそのままになっていて危ない。
道なりに歩いてゆくと、昭和初期の様な「東北電力」の建物と木立ちがあり、脇に大きな空き地。提灯がともり、飲み屋街のような一角がある(置賜町)。客待ちのタクシーの列、パトカーが目につく。


途中で見つけたラーメン屋にはいる。入れ替わりの一人が帰って、客自分一人。店のスタッフ。一人はおしゃべりで、もう一人は極端に無口。群馬の人らしい。雪が降らない週末は久しぶりとのこと。街頭では、ソーセージを焼くようないい匂いがしていたのだが、ここではない。味も特に印象的ではない。


街の南側。「国道13号線」:「平和通り」を渡った場所にある、古い「中町」へ向かう。「なまこ壁」の古い旅館の前を行過ぎる。魔除けの鬼のようなものが描かれた紙が、壁に貼ってある。
交通量が多い。自動車のライトがまぶしい。粉雪がふわふわ舞っている。
やけに明るい、商店街のような横道があるが、買物客など、誰もいない。
用件の「ライブ(siva)」が始まるまで、「サウンドスタジオ・アイヴィー」の向かいの「ブックオフ」で時間潰す。懐かしいデザインの講談社文庫があるが、買うほどではない。


汗だくの密室ライブ終了(21:45)。天気は崩れなかった。「中町」の通りを中心部へ。「13号線」沿いに街を北上。ちゃんとした横断歩道は無い。「地下道を使え」ということらしい。
繁華街にちかづく。忘れたが、変わった名前で眼をひくスナックビルのような建物があった。


東北電力」のある一角の、北東部分にさしかかると、「客引き」にしつこく呼び止められる。「一畳サロン」というもの。「●●●●間」のようなものだろうか。
地図でいうと、「置賜町」と「陣場町」の境目、「中央通り」の延長線上が、歓楽街、風俗店街になっている様子。
わざと歩いてみる。アタックの強いおやじが一人いて、曖昧に捕まれる。ギリギリぃ。「たまには別の女の子とどうです云々」。中国系の女性も一人。「がっかりさせないから云々」。
陣場町」の路地に逃げる。「レンタルルーム●●●」というのが目に付く。これは、いわゆる「ハコもの」を、便宜上、女の子がいる場所と部屋とに分けて、言い逃れ的に営業しているのだろう。


裏道をたどって「国道13号線」の東側に渡る(万世町)。さっきの道の延長にあたる「中央通り」には「浮世風呂」というのもあり、角々にそれらしい男たちも居るが、声はかけてこない。酔客がぞろぞろ歩いてくる。


国道のこちら側は静かだ。目見当で南下してゆくと、先ほどの、十字路の一角を占めたローソンを見つけ、買物。
ホテルへの帰途につくが、ローソンを出るときに方向を間違えたらしく、だいぶ歩いて、ガランとした大きな道路に出てしまう。
しかたがないので、寒風の中、ローソンまで引き返す。


国道と平行して、南北に「パセオ通り」というのが走っている。この通りと、同じように石で舗装されている「レンガ通り」を間違えた。
十字路ごとに、ロングダウンコートを着た女の子と、チラシ配り・呼び込みの兄ちゃんが溜まっているが(キャバクラだろうか)、こちらは「お帰りモード」で、しかも半分あせっているので、余所見などしてどんどん通過。
通りすがりに目を走らせた路地(「文化通り」「並木通り」など)には、人っ子一人居ず、街灯だけズラリと並んでいる。


東急イン」や「野村證券」「東邦銀行」の位置関係を見ながら、今度はホテルまで帰り着く。30分も歩けば大体まわれる規模の夜の街か。


10階の部屋だったのだが、ラジオの電波が入らない、というか、局・番組自体無いのか、何もひっかからない。FMで聞けそうなものあったので、ラジオをかけながら入浴。湯川れい子がでている。
気温が零下になると聞いていたが、部屋に居れば特に何も感じない温度。


朝。晴れている。山に囲まれた市街を見る。ゆっくり洗面、食事して(レストランはガラガラ。窓際の席から街路眺める)、しばらく部屋でぶらぶらし、チェックアウト。


「西澤書店」をみる。翻訳ものやムック本で知らないもの見つける。金も無いし、重いので、買わずに記憶。
目をつけた本の中で、ドイツの版画家:ホルストヤンセン曰く「勝手に生まれ出て/奔放に幸せに生き/無尽蔵の怒りを持って死ね」だったっけかな。


昨夜迷った「パセオ通り」を北へ進む。「信夫山」を正面に見ながら。
...後日、地図で確認すると、「信夫山」は、もっと東側に続いて高くなっている様だが、目の前の山は、台形で、一つだけに見える。茶色の樹木で被われているが、西側が土砂崩れでも起こしたみたいに土が見えている。

パセオ通り」で、音楽ソフトの店、ポップとクラシックの二つが並んでいるのを見つける。
途中で左折して、国道を渡る。日陰の歩道に大きなアイスバーン


客引きが大勢でていた道を、再度歩く。今は、飲食店の人のみ動きがある。ビルの看板を見ると、バー街の様だ。その通りを突き抜けると、駅前を走る大きな道路を挟んで、「福島リッチホテル」の向かいに出る。


昨日とは逆に「エスパル」から、駅構内に入ってゆく。新幹線は、自由席の券売機が一台あるだけ。
これで不便はないのだろうか。
新幹線のプラットフォーム。ガラス張りの待合室に腰掛けて、眺めがすばらしい西側を見ている。


雪をかぶった「吾妻山」が視界いっぱいに。
福島市街の線路より西側は、平坦な印象。イトーヨーカドーの裏側の立体駐車場が近未来的な感じ。
いざ発ってみると、街の南部で、なかなかきれいな川が流れている景色が見えた。